理論
理論の背景
この診断は、心理学者カール・ユングの類型論(心理的機能と態度の理論)に基づいています。4つの軸で思考・判断・行動の傾向をとらえ、16種類のタイプとして整理します。
仕事タイプ診断の最大の特徴は、「普段の傾向(通常のタイプ)」と「仕事での傾向(仕事でのタイプ)」の両方を診断し、比較できる点です。
ペルソナとは?Persona = 仮面
ペルソナ(persona)はユング心理学における用語で、社会や集団のなかで自分をどう見せるかという「対外的な顔」を指します。
「仮面」というと悪い意味に聞こえるかもしれませんが、社会生活を円滑にするための重要なツールです。仕事タイプ診断では、学術的な概念を、職場での自分やチームメンバーの「仕事での顔」を短く把握するための言葉として使っています。
診断のベースとなる4つの軸
E/I(仕事の進め方とエネルギー源)
外向型 (Extraversion)
「対話と行動でプロジェクトを推進する」
- 関係性:仕事を通じて新しいつながりを広げることを厭わず、自ら話しかけたり打ち解けたりする傾向がある。
- 協働スタイル:単独作業より、誰かと関わりながら進めるプロジェクトにやりがいを感じる。活気のある現場を好む。
- 発信:会議では自分から意見を出し、周囲からは活発でコミュニケーション力が高いと見られやすい。
内向型 (Introversion)
「集中と洞察でクオリティを高める」
- エネルギー:初対面での自己アピールや、対面での連絡に消耗しやすく、非同期(メール・チャット)を好む傾向がある。
- 作業環境:一人で完結させる仕事に魅力を感じ、静かな環境で集中するときに力を発揮する。
- 発言:会議ではまず他者の意見を聞き、自分の中で整理してから発言するスタイルを好む。
S/N(情報の捉え方と着眼点)
感覚型 (Sensing)
「確かな実績とデータに基づく実務派」
- 焦点:成果物の細かい解釈や、表現の裏にある意図を掘り下げる議論より、実務に直結する課題に注力する。
- 進め方:理論的・抽象的になりすぎる話は負担に感じやすく、既存の枠組みに沿った堅実な遂行を好む。
- 価値:遠い将来のシナリオより、「今、何が必要か」という現実的な成果や再現性を重視する。
直観型 (Intuition)
「ビジョンと可能性を描くアイデア派」
- 興味:決まった作業より、斬新なアイデアを形にしたり、まだ誰も試していない視点を探求することに楽しみを感じる。
- 学び:直接関係のない分野でも新しい知識・スキルを積極的に取り入れ、独創的な企画や表現に惹かれる。
- 判断:マニュアル通りの遂行より、独創的な解決策が求められる仕事や、倫理観・「何のために働くか」といった問いを好む。
T/F(判断の基準とフィードバック)
思考型 (Thinking)
「論理と客観性による最適解の追求」
- 判断基準:関係者の感情より客観的事実やデータ・根拠を優先し、効率や合理性に基づいて決断する傾向がある。
- 伝え方:厳しい内容でも率直に伝え、意見が対立したときは「正しさ」や論理を重視する。感情的な訴えにも冷静に対応する。
- 一貫性:主観的な印象より、誰にでも適用できる基準やルールを重んじる。
感情型 (Feeling)
「共感と調和による組織の活性化」
- 判断基準:論理や数字より、熱意・想いや関係者の「喜び」「苦労」に心が動き、メンバーがどう感じるかを重視して決める。
- 伝え方:厳しい真実を伝えるより、相手の気持ちを傷つけない配慮を優先し、伝え方を工夫する。
- 手がかり:数字と現場の感情がぶつかるときは直感や心情に従い、詳細な裏付けがなくても「これだ」と確信すれば動く傾向がある。
J/P(タスク管理と仕事のスタイル)
判断型 (Judging)
「計画性と完遂力による確実なアウトプット」
- 環境と計画:デスク・ファイルなどは整理整頓し、優先順位と締め切りを明確にして、早めに完了させることを好む。
- 管理:タスク管理ツールやスケジュールで工程を管理し、毎日やることを決めてから仕事を始める。予定が狂っても計画に戻すことを優先する。
- 完了感:仕事を片付けてからでないとリラックスできず、手順やルールに沿って念入りに確認しながら進める傾向がある。
知覚型 (Perceiving)
「柔軟性と瞬発力による変化への適応」
- 進め方:その日の気分や状況に合わせてノープランで進めることが多く、決められたルーチンや一定のスケジュールは負担に感じやすい。
- リズム:コツコツ一定ペースより、締め切り直前の集中で本腰が入り、短期間で一気に進めるスタイルに近い。
- 納期:決められた納期や締め切りを守ることが苦手に感じることがあり、計画よりその場の最適化を選びがちである。
心理機能とは?
ユングは、人の認知や判断のプロセスを8つの心理機能に分類しました。16タイプはそれぞれ、これらの機能を異なる順序・強さで使い分けています。
心理機能は大きく情報の受け取り方(知覚機能)と判断の下し方(判断機能)の2グループに分かれ、それぞれに外向的・内向的の態度があります。
事実・経験を捉える
可能性・パターンを捉える
論理・分析で判断する
価値観・共感で判断する
8つの心理機能
思考機能
論理・分析で判断する外向的思考
外向的・組織と効率で成果を出す
客観的なデータ・ルール・システムに基づき、外の世界を効率よく整理・組織化する機能。目標を設定し、測定可能な成果を追求します。
職場での活かし方
内向的思考
内向的・内なる論理で本質を見抜く
内面の論理フレームワークに照らして情報を分析・分類する機能。「なぜそうなるのか」を突き詰め、矛盾のない体系を構築します。
職場での活かし方
感情機能
価値観・共感で判断する外向的感情
外向的・調和とつながりを育む
周囲の感情やニーズを敏感に読み取り、グループの調和を維持・促進する機能。人間関係を円滑にし、チームの士気を高めます。
職場での活かし方
内向的感情
内向的・自分の価値観に正直に生きる
内面の価値観や倫理観に基づいて判断する機能。「自分にとって本当に大切なことは何か」を問い続け、誠実さと一貫性を大切にします。
職場での活かし方
直観機能
可能性・パターンを捉える外向的直観
外向的・可能性を広げ、未来を描く
外の世界から無限の可能性やパターンを見出す機能。既存の枠にとらわれず、「他にどんな方法があるか」を次々と発想します。
職場での活かし方
内向的直観
内向的・深い洞察でビジョンを形にする
無意識の奥から浮かび上がるイメージや洞察を通じて、未来の方向性を「直感的に」把握する機能。本質を見抜き、長期ビジョンを描きます。
職場での活かし方
感覚機能
事実・経験を捉える外向的感覚
外向的・今この瞬間を最大限に活かす
五感を通じて「今ここ」の現実を鮮明にキャッチする機能。状況の変化に素早く反応し、即座に行動に移す実行力を持ちます。
職場での活かし方
内向的感覚
内向的・経験と記憶を確実な成果に変える
過去の経験や記憶を詳細に蓄え、現在の状況と照合する機能。「以前はこうだった」という信頼できるデータベースを持ち、再現性と安定性を重視します。
職場での活かし方
心理機能スタック
16タイプはそれぞれ、8つの心理機能を固有の順序で使います。これを「心理機能スタック」と呼びます。スタックは4つの役割で構成されています。
🥇 主機能
最も自然に、無意識レベルで使いこなす心理機能。仕事の中核となるスタイルを決定づけます。
🥈 補助機能
主機能を補完し、バランスを取る役割。主機能だけでは偏る部分をカバーします。
🔧 第三機能
意識的に鍛えることで伸ばせる機能。ストレス時や成長の過程で表に出やすくなります。
🌱 劣等機能
最も未発達で、ストレス時に不健全な形で表れやすい機能。自覚することで成長の鍵になります。
タイプ別スタックの例
戦略的設計者
情熱的な触媒
実行力の管理者
感性の職人
💡仕事タイプ診断では、あなたの仕事モードでの心理機能スタックを可視化します。普段のタイプと仕事のタイプが異なる場合、「シャドウファンクション(普段使わない機能)」を仕事で使っている可能性もわかります。
